異種管の接続

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悩んでいる方は意外と多い?

今使っている鉄のパイプに塩ビ管をつないで行きたいけど、それって可能なの?

という人も多いと思います。

 また、

一部分だけ違う種類のパイプで交換してしまったけど、それって大丈夫?

という人も少なくないと思います。

異種管接続は珍しいことではない

 種類の違うパイプをつなぐことを「異種管接続」といってそんなに珍しいことではありません。むしろ異種管接続がない現場の方が少ないとも言えます。

 実は、異種管を繋ぐ方法はいくつかあり実際にも活用されています。

 ただ、そういったことはなかなか聞けないので、悩んだり、知らずに自己流でやってしまい、無理やりやった結果漏れたりして後で後悔したり損をしてしまうということも少なくありません。

今回のテーマは「異種管の接続」

 そこで今回は「異種管の接続」というテーマで解説していきます。

 この動画を見ると、異種管を繋ぐ方法とどういった継手を使うかがわかります。また接続するときの注意点も解説していますのでぜひ最後まで御覧ください。

異種管は直接接続できない?

 まず異種管どおしは直接接続できないの?ということについて解説していきます。

 パイプは種類によって、接合方法が異なることはご存知のことと思います。初心者の方には何のことかわからないと思うので、軽くおさらいしておきます。

パイプは管種により接合方法が異なる

1.鋼管(炭素鋼鋼管)

 まず鋼管いわゆる鉄パイプの場合は、ネジ接合または溶接接合となります。それぞれ専用の継手を使用します。

2.塩ビ管(硬質塩化ビニル管)

 塩ビ管は、給水用TS接合や排水継手などの塩ビ管用継手と接着剤を使用して接合します。

3.(給水用)ポリエチレン管

 給水用ポリエチレン管は、専用のポリ管用継手を用いてつなぎます。ポリ管用継手は、ナットを締める事によりパイプ自身がパッキンの代わりになって漏れない構造になる仕組みです。PE継手とも言います。

4.架橋ポリエチレン管・ポリブデン管

 架橋ポリエチレン管やポリブデン管の継手は、パイプを挿入するだけで内部のパッキンや抜けどめ金具がはたらき、漏れない仕組みの継手です。

5.その他

 他には銅管やステンレス鋼管もあります。

銅管

 銅管は一般的には溶接が多く、ロウ付けという方法を行います。

ステンレス鋼管

 ステンレス管は、ネジや溶接接合はもちろん圧着継手など多種多様にあります。ステンレス鋼管は接着剤以外の様々な方法があります。

材質の特性で接続方法に得手不得手

 このようにパイプの種類によって接続方法が違うのは、材質の特性が違うため接続方法に得手不得手があるからです。

接着剤が使えるのは塩ビ管だけ

 例えば例をあげると鋼管などの金属は接着剤では溶けないのでくっつきません。またポリエチレン管などの高分子樹脂は接着剤自体がはがれてしまうためくっつきません。

熱に弱い材料がある

 塩ビ管などの樹脂管は熱塑性があり、熱で変形してしまうため溶接による接合はできません。

 ただ、塩ビ製品に同じ材質で溶接加工することはあります。

厚みが無いとねじが作れない

 銅管や圧着用ステンレス管などの薄肉管の場合はネジが切れません。

パイプは専用継手を使う

 こういった点を考慮してパイプは専用の継手を介して繋ぐことになり直接つなぐことはできないということになります。

方法はあるが、知らないともったいない

 ただ、直接つなげないだけで継手を利用し共通の仕様にすることで繋ぐことができます。そういった方法はいくつかあるので、これを知っているかいないかで選択肢に差が出るので知らないともったいないと思います。

異種管接続は必須事項?

試験課題になっている

 具体的に接続方法を解説する前にこちらを御覧ください。

 これは、配管技能士試験の1級の実地試験の課題の一例です。3種混合配管と言われ、鋼管、塩ビ管、銅管を組み合わせて指定された工作物を作る課題です。

現場においてもごく普通のこと

 実際の現場においても、最初から最後まで同じ種類ということは少なく、この課題のように種類が変わることは珍しいことではありません。

 給水管ひとつ取っても、地中ではポリエチレン管や塩ビ管を使い、屋内では鋼管や架橋ポリエチレン管、器具接続は銅合金などの金属などと状況に応じて変わるのがごく普通なのです。

異種管の接合方法

 それでは具体的に異種管の接続方法について解説していきます。今回は5つ紹介します。

5つといっても一般的なもの3つと特殊なもの2つです。

1.ネジに変換する

 1つ目は「ネジに変換」する方法です。

 これが漏れも少ない一番確実な方法です。パイプの種類が変わってもネジの規格は同じで共通です。また、どの種類の継手にも必ずネジに変換できるものがあります。

 つまり、ネジに変換すればどの種類でも接続が可能ということになります。

 鋼管の場合は、パイプをねじ立てすると雄ネジとなります。また継手は雌ねじです。

 その他の樹脂管や銅管などの場合は、ネジのついた継手を使用するとネジに変換できます。雄ネジタイプもめネジタイプもあります。

 なお、おねじとめねじを組み合わせる方法もありますが、オネジ同士を継手やバルブで接続する方法もあります。

2.フランジ継手の利用

 2つ目は「フランジ」を利用する方法です。

 フランジとは、継手の一種でパイプにツバをつけてその面にパッキンを挟み込んで接続します。一般的にフランジは2枚で1組で、同じフランジを合わせて使用します。ボルトナットを組み合わせたものを「組フランジ」といいます。

 規格が同じフランジであれば種類が違っても接続が可能です。鋼管フランジと塩ビ管フランジも接続できます。

 配管に使うフランジには大きく分けてJISフランジ上水フランジがあります。また、JISフランジには使用圧力によって規格が分かれています。

 規格が合わないフランジはサイズが同じでも組み合わせはできません。

 フランジはねじと違い、ネジ込み代が必要なく中間地点でも最後に接続することも可能です。

3.カップリング継手を利用

 3つめは、「カップリング継手」です。

 パイプとパイプをつなぐために作られた継手です。基本的にカップリング継手はゴムパッキンを密着させて接続するのでパイプのサイズが合えば種類は問いません。

 カップリング継手で有名なものはHI−LAソケットやSKジョイントなどに代表されるナットを締め込んで接続するものです。

 その他には、ストラブカップリングという筒状で締め込む継手もあります。

 カップリングは漏水などのトラブルのときも、補修部品として使えるのでとても便利な継手です。

以上3つは通常の方法、残り2つは特殊な方法

 以上が一般的なものでこれらが主流となりますが、これから紹介する2つは特殊ものですが場合によって使われます。

4.変換継手を利用

 4つ目は、「変換継手」です。

 管種を変換することを目的とした継手です。わざわざネジに変換したり、継手を多く使わずに継手一つでつなぐことができるようになります。複数の継手を使用しなくて良いためスペースが限られていたりする場合も使われることがあります。

 ただ、用途や継手の種類も限られており、すべてのものに適用できるとは限りませんので、あれば便利という位置づけです。また需要もすくない特殊継手となり、流通量が少なく比較的高価になります。

5.焼き嵌(ば)め

 最後5つ目は、最終手段「焼きバめ」という方法です。

焼き嵌めは応急的で規格外扱い

 焼きばめとは塩ビ管の熱可塑性を利用して、熱を加えてはめ込むという方法で、応急的なつなぎ方ではあります。継手が入手できない場合やスペースがないなどやむをえない状況で行うことが多いです。パイプを変形、変質させるので、規格外品扱いとなります。そのため「焼き嵌め」はある程度の技術が必要となります。

 同種管の場合は接着剤が使えるので圧力に耐える配管も可能ですが、異種管の場合は、接着剤が使えないので給水管など圧力のかかる配管には向きません。排水管などにのみ限定使用するようにしましょう。

 冷えるとある程度接合しますが、塩ビ接着剤やボンド類などを使うと漏れ止めや抜けどめの効果が少し出ます。

 ただし、あくまでも応急措置用の非常手段だということをお忘れなく。

 なるべく早急に継手を入手して完璧な状態に戻しておくと安心です。

おまけ

 それでは最後におまけです。

 こういった異種管の接続ですが、接続時の注意点があるので上げておきます。

 

【電蝕】異種金属接触腐食

 まず、ネジに変換してつなぐ場合など、異種金属接触腐食に注意が必要となります。特に鋼管とステンレスまたは鋼管と銅管は直接つないではいけません。電気的腐食いわゆる電蝕作用により酸化しやすい鋼管の方が腐食していきます。

 対策としては、絶縁継手などで電気的絶縁をおこなうこと。電蝕が起きないように鋼管のネジを他のネジに変換することなどです。

 すぐ腐食するものではないので短期間の場合は問題ありません。

 

【変形】

 カップリング継手を使用する場合、鋼管や塩ビ管のような硬質管の場合は問題ありませんが、ポリエチレン管のような軟質パイプの場合締め付けにより変形し漏れることがあります。

 一度変形するといくら締めても漏れは止まりませんので、軟質パイプの場合はパイプの内部にインサートコアを挿入し変形を防止します。ポリエチレン管や銅管の場合は、継手の仕様書を確認して変形を防止する対策が必要となる場合もあります。

【注意】時間の関係上この項目は動画では割愛しました

【点検】

 Rねじ接合の場合を除き、漏れのリスクは低くはありません。つまり漏れることもあります。特に隠蔽部となる場合は注意が必要です。できれば常に点検できるように点検口などを設けておくことをおすすめします。

 

【順番】

 異種管接続の場合、順番も考える必要があります。原則拘束されるものは先に、自由の利くものはあとで施工します。

 例えば、ねじ接合は回転する必要があるので、原則接着よりも先にねじ込みを行います。

 また、溶接の場合、塩ビ管のねじを先に接合すると熱で溶けてしまうため、溶接後ねじを付けるか、塩ビ管に影響がないように防護します。

 塩ビ管は差し込み代が鋼管ネジ等と比べると大きいので逃げ代も考慮しながら配管します。

 この順番を考慮していないと接続できないということも起きてしまいます。

まとめ

それでは今回のまとめです。

 

今回は「異種管接続」について解説しました。

異種管どおしは特性上直接接続ができません。それぞれの専用継手を介して接合することになりますが、そのとき共通した仕様のねじやフランジに変換すると接続が可能となります。

また、カップリング継手を使用するとサイズが合えば種類を問わず接続が可能となります。

 

異種管接続のときは、異種金属接触による腐食、いわゆる電蝕に気をつけて特に鋼管とステンレス管、鋼管と銅管は直接繋がないように注意が必要です。絶縁継手などを使用して絶縁するように心がけましょう。

 その他にも注意点がありますが、もう一度おさらいしてマスターしておけば安心です。

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